デジタルワイヤレス・システム運用のベストプラクティス: リモートアンテナ
   


XD-V75ワイヤレス・システムに優れたパフォーマンスを発揮させるには、システムのイントールやイベント、ツアーを問わず、これまで業界内で培われてきた最善の運用方法の知識とノウハウを、適切に実行することが重要です。それにより、現場で多くのワイヤレス・チャンネルが必要な場合にも、1システムのみが必要な場合も、使用するワイヤレス・システムの能力を最大限に活用できます。

以下に紹介する方法により、Line 6デジタル・ワイヤレス・システムが実現するパフォーマンス上のメリットをフルに発揮してください。

ステップ2: リモートアンテナ

アンテナのカバー範囲を最適な状態に維持し、最高の見通しを確保するには、アンテナをデジタルワイヤレスのレシーバー筐体から離れた位置にマウントすることが必要な場合もあります。Line 6はリモート・アンテナとして指向性のP180、無指向性のP360の2種類のオプションを提供しています。


Line 6 P180指向性アンテナ

Line 6 P360無指向性アンテナ

P180、P360ともアンプを内蔵しており、+3dB、+12dB、+23dBのゲインを切り替え可能。これはLMR-195ケーブルを使用した際に、それぞれ4.9m、19.8m、37.8m分の補償に相当します。LMR-400 (100フィート当たり6.8dB) や9913 (100フィート当たり7.7dB) などのローロス・ケーブルを使えば、それ以上の長さにすることもできます。

指向性アンテナは、ステージ上の単数または複数のトランスミッターから精度の高い受信が必要な場合に適しています。無指向性アンテナは、たとえばオーディオエンス・マイクなど、より広い空間で使用するトランスミッターからの受信に推奨されます。

アンテナの向き

セットアップの際、P180指向性アンテナをブームマイク・スタンドにマウントし、パフォーマーや、そのパフォーマーが動き回るエリアを狙ってパドルを下向きに傾けるのがベストです。両アンテナは近い位置に配置してカバー域をできるだけオーバーラップさせることで、冗長性を確保すると共にシステムに搭載されている時間&空間ダイバーシティ機能を活用できますが、最低12.5cmは離してください。以下のセクションでは典型的な配置例を紹介しています。

楽器トランスミッターのカバー

ギタリストひとりが使用しているトランスミッター1台をカバーするには、できるだけ演奏者に近いステージ脇に2基のリモートアンテナを配置して、ギタリストのボディパックに向けて下向きに狙い、ギタリストが移動するかもしれないステージのもう一方までカバーするよう、わずかに外向きにします。

右の写真はギタリストに向くようにマウントされたリモートアンテナを横から見たところです。

リモートアンテナが演奏者に向くように設置したステージの状態は、以下のようになります。


マイク・トランスミッターのカバー

リード・ボーカリストが使用しているマイク1本をカバーするには、ドラム・セットの両側に2基のリモートアンテナを配置し、シンガーのマイクに向けて下向きに傾けて、メインシンガーの場所と、そのシンガーが移動する可能性のある場所もカバーするよう、わずかに内向きにするといいでしょう。


複数のパフォーマーのカバー

XD-AD8 アンテナ・ディストリビューション・システムとリモートアンテナを使用して、複数のパフォーマーをカバーします。2基のリモートアンテナは、パフォーマーへ向けてステージの両サイドに配置するといいでしょう。


以上のイラストは、あくまでも一般的な推奨設定を示したものです。どの場合にも、必要なカバーエリアを歩いてパフォーマンスをチェックすることをお勧めします。わずかな調整でも、大幅に改善される場合があります。またアンテナ・パターンは、特定のエリアにおける受信と阻止の両方を考慮して選択してください。

アンテナの高さとアングル

電波の反射を最小化するため、リモートアンテナは最低でも床から90cm以上の高さ、理想的にはオーディエンスの頭より上まで持ち上げますが、極端に上げたり、天井に近づき過ぎたりしないようにしてください。アンテナを高く上げすぎると、カバーするパフォーマーからの距離は遠くなり、不要なシグナルを拾いやすくなります。アンテナを適切な高さに設置することで、ワイヤレス・システムのレンジが最大化されます。

ここで目標にするのは、アンテナを干渉ソースから遠ざけつつ、できるだけパフォーマーへ近づけることです。例えばパフォーマーがいる部屋の壁や天井にWiFiルーターがマウントされている場合、WiFiルーターから離れた場所に置いた指向性アンテナでパフォーマーを狙ってください。

アンテナ・ディストリビューション・システム

Line 6はXD-AD8アンテナ・ディストリビューション・システムも用意しています。このシステムにより、複数のレシーバーがペアのアンテナを共有でき、複数ワイヤレス・システムのコンフィギュレーションに高い自由度が生まれます。ラックマウント・ワイヤレス・システムはセットアップも簡単で、ワイヤリングも整理され、またAD8からレシーバーへの電源供給も可能です。

デジタルワイヤレス・システム運用のベストプラクティス: アンテナの配置」も併せてお読みください。

次のステップ: WiFiスペースにおける安定運用